テーマ:裁判員制度 被告を裁く自信がない
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テーマ:裁判員制度
被告を裁く自信がない
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痴漢冤罪事件を題材とした周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」は、裁判官の心証が「推定有罪」に凝り固まっている法廷の不気味を克明に描写しています。
有罪を立証する確たる証拠にも乏しく、あくまで否認しているのに、なす術(すべ)もなく追いつめられる無実の被告に感情移入してしまうと、裁判官の独善という司法制度の病変を即刻、切除せねばという義憤に駆られることでしょう。
今回も、「それでもボクはやってない」を見たというbeモニターから、「日本は起訴されると、ほとんど有罪になる。きちんとした取り調べが先決」(東京、47歳女性)、「保身のために無罪判決をためらう裁判官もいる」(大阪、54歳女性)などと司法制度の硬直ぶりを指弾する意見が数多く寄せられています。
遅くとも09年5月までに始まる裁判員制度は、そういった裁判官の独善を妨げ、裁判に市民の良識を反映させる制度です。殺人や放火、誘拐などの重大な刑事事件の公判に、選挙人名簿から無作為に選ばれた市民6人が参加し、裁判官3人とともに証拠や証人調べに立ち会い、有罪か無罪の判断だけでなく、量刑までも評議し、評決を下さなければなりません。
しかし、選ばれたら原則として辞退できない裁判員をやってみたいと思うモニターは3割弱に過ぎません。
「裁判官によっても量刑の差が激しいのに、素人に正しく判断できるのか」(岡山、74歳男性)、「情状酌量の余地がある被告を裁く自信がない」(千葉、31歳女性)などと及び腰なのです。これでは評決は結局、裁判官に誘導されかねません。
また、将来、重大犯罪の被害者らが裁判に参加し、論告や求刑をする見通しですが、その声を理性を保ったまま聞いていられるでしょうか。
模擬裁判など事前研修や、企業に裁判員休暇を義務づけたり、「非正社員が選ばれて休んでも、失業しなくて済むよう法律をつくる」(兵庫、40歳女性)など制度をスムーズに導入する足場固めも、まだ心もとないようです。
(担当 保科龍朗)
beモニター 「アスパラクラブ」会員のうち、全国で約4400人が登録。毎週インターネットで回答を得ている。
●派遣社員が裁判員に選ばれて休むと、次期の更新が望めなくなる可能性がある。生活に困る(東京、36歳女性)
●性格や考え方が偏って、問題があるかも知れない人の意見が反映される理由が分からない(三重、53歳女性)
●検察、警察の改革も必要。取り調べの透明性、公平性を確保し、違法行為は厳罰に処す(神奈川、70歳男性)
●参加してみたいが、万が一、自分や身内が被告となった場合、裁判員には裁かれたくない(埼玉、42歳女性)
●義務教育のなかで司法制度や法律を勉強し、裁判所を見学する。ディベートなども訓練する(兵庫、33歳女性)
●犯罪被害に2度遭ったが、この国の法律は被害者に冷たく、判決は被告に甘いと痛感した(東京、25歳男性)
●アメリカのように辞退者が続出して、リタイアした世代の人々ばかり参加するのでは(福岡、32歳女性)
●裁判員の都合を最優先して、裁判を日曜日に開廷せよ(京都、26歳男性)
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