国選弁護人、複数選任を容認 迅速審理へ負担軽減
刑事事件の容疑者や被告の弁護人を裁判所が選ぶ「国選弁護」制度の運用にあたり、最高裁は、容疑者や被告1人につき弁護人1人とする現在の原則を緩和し、例外としてきた複数の選任を必要に応じて認める方針を決めた。審理期間の短縮など刑事裁判の改革が進むなかで弁護人に過度の負担がかからないようにするのが目的で、2年後の裁判員制度導入も見据えた措置。26日に各地裁に文書で通知し、今後の選任手続きで適用する。
http://www.asahi.com/national/update/0727/TKY200707260491.html
被告に私選弁護人を雇う資力がない場合、裁判所が職権で国選弁護人を選任する。ただ、複数の選任は異例で、オウム真理教元幹部らの裁判のように起訴事実が多く内容も複雑なケースに限られてきた。06年10月からは重大事件で容疑者にも国選弁護人を付けられるようになったが、複数選任の例は少ない。
一方で、刑事裁判はここ数年「迅速化」が進められて弁護人の負担が重くなってきている現実がある。05年11月からは重要事件では初公判前に裁判所、検察官、弁護人で争点を絞り込む「公判前整理手続き」が実施され、集中的に公判が開かれるケースが増えている。09年から始まる裁判員裁判の対象事件ではすべてこの手続きを行う。
こうした現状から、国選弁護人を引き受ける弁護士からは「準備が大変で他の仕事を引き受けられない」「十分な弁護活動ができない恐れがある」といった声が出た。日本弁護士連合会や国選弁護人の候補を指名する日本司法支援センター(法テラス)が「柔軟に複数の選任をしてほしい」と要望していた。
今回、最高裁が複数選任を認めることを決めたのは、原則として公判前整理手続きが行われる事件が対象。内容が複雑で弁護活動に困難を伴うケースのほか、容疑者や被告が否認した場合▽容疑者や被告の性格などが特殊で意思疎通が難しい場合▽社会的注目度が特に高くマスコミ対応なども必要な場合――などを想定している。
公判前整理手続きが行われない事件でも、地裁支部がある地域で容疑者の国選弁護人となり、その後に本庁での裁判に臨まなければならなくなった場合などには複数の選任を検討する。
国選弁護の予算は年間約80億円。裁判員裁判の対象となる事件は年間約3000件あり、そのうち約3割が否認事件となっている。
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