あなたも裁判員に
迫る制度スタート、今秋にも候補者名簿作成
http://www.y-mainichi.co.jp/news/10817/
■沖縄も8割以上が消極的
国民が刑事裁判に参加する裁判員制度が迫っている。実際のスタートは来年5月だが、しかし今秋には各市町村の有権者名簿から抽選で候補者名簿が作成され、さらに12月ごろにはその中から1事件あたり50人―100人の候補者が選ばれるなど事実上制度がスタートする。
去る1日、最高裁から裁判員制度に関する意識調査結果が公表されたが、60.3%の人が参加の意向を示したことがわかった。最高裁関係者は「かなり高い数字」と評価しているが、しかしその内訳は「あまり参加したくないが、義務なら参加せざるを得ない」の約45%を加えた数字であり、さらに37.6%は「義務でも参加したくない」と答え、約8割が消極的だ。
沖縄も56.1%が参加の意向を示したが、しかしこれは同じく「義務なら参加せざるをえない」の41.9%を加えたものであり、一方で「参加したくない」は40.5%もあり、8割以上の人々が裁判員になることにしりごみしている姿勢が浮き彫りになった。
その理由として「被告の運命を決まるため責任を重く感じる(75.5%)「素人に裁判が行えるか不安(64.4%)」など心理的なものが多かったようだが、これは陪審員制度が定着している米国や英国などでも参加意欲は同様な傾向で、米では陪審員候補者に出した質問状の40%強から返答がないという。
■1事件で6人の裁判員
同制度は殺人や強盗致死傷、傷害致死傷、誘拐、放火、保護責任者遺棄致死罪などの刑事裁判に参加、被告人が有罪かどうか、どのような刑にするかを3人の裁判官と一緒に決めるもので、国民が直接参加することにより裁判が身近でわかりやすいものとなり、さらに国民の目線で評決することにより司法への信頼も高まることを期待して、09年5月までの実施をめどに04年5月法律が成立した。
地方裁判所ごとに有権者の中から抽選で1事件あたり6人の裁判員が選任されるが、正当な理由がない限りこれを拒むことはできない。それだけに制度そのものに反対する人も少なくない。
確かに初めての試みであり、最高裁の調査結果でも分かるように、責任の重さに対する心理的不安もあって戸惑いや抵抗感もあろう。ただ一方で刑事裁判に国民が直接参加する画期的な制度であり、「はじめはやりたくなかったが、やってよかった」との外国の陪審員制度の事例報告もあるようだ。それだけに今秋にも始まる候補者名簿作成に向けてこうした外の例も挙げての丁寧な説明、協力呼びかけが必要だろう。
八重山も昨年8月に小学5、6年生の親子を対象に模擬裁判、さらに同11月に那覇地裁石垣支部によるフォーラムなどの広報活動があったが、これで郡民に裁判員制度が十分周知されているかといえば、それはどうか疑問を持たざるをえない。もっと広報が必要だろう。
■沖縄は年間30件前後
裁判員は殺人や強盗、危険運転致死罪などの刑事事件に参加し評議・評決を行うが、それはたとえば那覇地裁石垣支部や宮古支部などの支部単位で行うのではなく、沖縄は全県を一単位として那覇地裁で行われるという。そして対象事件は昨年の例で見ると29件あったようで、年ごとにばらつきはあるが、年間おおむね30件前後の対象事件があるようだ。
裁判員は前年の秋に翌年の候補者名簿を作成、同12月ごろまでに名簿に記載されていることを本人に、正当な辞退理由があるかどうかをたずねる調査票と一緒に通知。そして辞退が認められた候補者を除き、1事件50―100人の中から事件ごとに最終的に6人が選ばれるという。ということは沖縄は年間30件前後の刑事裁判があるため、裁判員も年間180人前後が選任されることになる。
仮に八重山から選ばれた場合、旅費や日当は公費支給で那覇に出かけ、同地裁の評議・評決に参加することになる。
裁判員は有権者名簿から無作為抽出で選ばれるため、誰もが候補者であり、突然あなたに通知が届くかもしれない。それだけに1人ひとりが間近かに迫ってきた同制度に関心を持ち、そのときの心積もりをしておく必要があるだろう。