ダイアナ元妃の審問、近く評決…死因より男性関係に注目
【ロンドン=本間圭一】1997年にパリで交通事故死したダイアナ元英皇太子妃の死因を調べるロンドン高等法院の審問は証人調べが終結、近く陪審員により評決が下される見通しだ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080404-OYT1T00853.htm
評決により、10年余にわたった“不審死”の解明は大きな節目を迎えるが、審問では、新たな証拠よりも、元妃の男性関係の暴露に注目が集まり、王室報道のあり方に課題を残した。
「ダイアナはピル(経口避妊薬)を飲んでいた」。「(イスラム教徒男性との交際により)ダイアナは母親から『売春婦』呼ばわりされた」
審問の内容を伝える報道だ。出廷した証人は元妃の友人ら約250人に上り、特に元妃の男性関係に関する証言などが英大衆紙で大きく扱われた。
審問は、検視官が捜査当局とは独立し、死亡時期や死因を特定する法的な手続き。仏当局の捜査終結を受け、2004年1月から始まり、ロンドン警視庁の捜査を経て、昨年10月から証人調べが本格化した。元妃とともに死亡したエジプト国籍の恋人の父親が訴える、フィリップ殿下と対外情報部(MI6)による元妃暗殺説などの真偽が主要争点だった。だが、報道は、元妃の「知られざる私生活」に集中した。
有名人を追いかけるカメラマン「パパラッチ」の追跡が、元妃の死につながったと見られるため、報道各社は元妃の死後、王室のプライバシーに配慮。元妃の息子のウィリアム、ヘンリー両王子を在学中は取材しないとの「紳士協定」も生まれた。
だが、歳月がたったことに加え、元妃が既に死去しているため、ダイアナ報道は衰えず、元妃の友人のロンドン主教は昨年8月、「終わりにしてほしい」と訴えたが、効き目はなかった。
審問の費用は、別の検視官が依頼したロンドン警視庁による死因調査も含め、700万~1000万ポンド(14億~20億円)で、過去最高額と見られ、費用対効果に疑問符もついた。著名なジャーナリスト、マックス・ヘイスティングス氏は元妃の秘密暴露に触れ、「審問は世界に向けた薄汚いショーだ」と皮肉った。
審問を現在統括するスコット・ベーカー検視官は2日、陪審員11人に評決を求めた。同院の前には、判断を待つメディアが大勢押し寄せている。
(2008年4月4日22時53分 読売新聞)