ハワイの日本人女性殺害、遺体なきまま有罪評決
【ロサンゼルス=飯田達人】米ハワイ州オアフ島でホームステイしていた日本人の渡辺真澄さん(21)を殺害したとして、第2級殺人罪に問われた男に対し、ホノルル地裁の陪審員は14日、有罪の評決を下した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080415-OYT1T00448.htm?from=navr
6月にも判決が言い渡され、量刑が決まる予定。
この事件は、遺体も凶器も発見されず、状況証拠のみで立件された。犯行を否認していた被告は、裁判で「誤って車ではねてしまった」などと証言。地元メディアが大々的に報じ、陪審裁判が1か月以上も続く異例の展開となっていた。
ホノルル総領事館によると、評決の言い渡しは、同地裁で午前11時40分(現地時間)に始まり、地元の害虫駆除会社に勤めていたカーク・ランクフォード被告(23)に対し、「有罪」が告げられた。
その後、検察側は約3週間で判決を出すよう要求し、弁護側は「3か月から半年はかかるだろう」と反論。カール・サカモト裁判長が量刑を決めるため、裁判を5月末に再開することを告げ、約1時間で閉廷した。
ハワイ州法では、警官殺害など特別なケースを除き、殺人は第2級で起訴される。最高刑は終身刑。
3月3日に始まった陪審裁判で、検察側は動機や殺害方法に言及しなかったが、ランクフォード被告の小型トラックに残された血痕から渡辺さんのDNAが検出されたほか、眼鏡が見つかっていたことや、同被告が海岸で穴を掘る場面などの目撃証言など、100点以上もの証拠を示した。そのうえで、「被告は恐るべき殺人を隠そうとしている。有罪は間違いない」と陪審員に訴えた。
同被告は捜査段階では「渡辺さんに会ったこともない」と犯行を全面否認していたが、弁護側立証に入ると、弁護士は「トラックを運転していた際、路上を歩いていた渡辺さんを誤ってはね、軽傷を負わせた。助手席に乗せ、ホームステイ先まで運ぼうとしたが、彼女が自ら飛び降りて、道路脇の岩に頭を打って死亡した」「遺体を海岸に埋めようとしたが、ホームレスに見つかり、別の海岸まで遺体を運んで海に捨てた」などと主張した。
ランクフォード被告自身は、「失業するのではないかと恐れ、何も起きなかったようにしようとした」と証言したが、殺人については強く否定した。
陪審員は双方の主張を検証するため、2回、関係個所を訪れた。
オアフ島北西部ププケアの家庭にホームステイしていた渡辺さんが行方不明になったのは昨年4月。遺体は現在も見つかっていない。
「一周忌」となる4月12日には、ホノルル市内の教会で有志による追悼集会が開かれ、ムーフィー・ハネマン市長も列席。新潟県佐渡市から両親も駆け付け、父親は「大勢の人が真澄のことを覚えていてくれて感謝している」と涙をこらえて語っていた。
◆渡辺さん殺害事件の経緯
2007年
4月12日 渡辺さんが散歩中、行方不明に
26日 地元警察がランクフォード被告を第2級殺人容疑で逮捕
28日 検察当局が同被告を訴追
5月 2日 大陪審の判断を受け、検察側が殺人罪で起訴
7日 同被告が罪状認否で無罪主張
2008年
3月 3日 陪審裁判開始
14日 同被告の弁護士が「車ではねた」と説明
31日 陪審員が弁護側立証の確認のため、2度目の現場視察
4月 2日 同被告が「車ではねたのは事実」と証言
4月10日 陪審裁判終了
11日 陪審員が討議開始
14日 陪審員が有罪の評決
6月以降 判決言い渡し予定
(2008年4月15日14時32分 読売新聞)