それでもあなたは裁判員になりますか?
裁判員制度の開始が近づいている。そんなときに時宜を得たノンフィクション大作が出た。グリシャムは法廷もので名高いミステリー作家だ。大金の報酬を巡って検事と弁護士が口角泡をとばす。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080508/155640/?ST=life
オクラホマという米国中西部の州の小さな町で起こった残虐な女性殺人事件を、米国史上まれに見る、驚くべき冤罪事件として、綿密な調査で明らかにしていく。明らかに事件と関係ない無実の男が、警察の厳しく狡猾な取り調べで、見る見る自白に追い込まれていく過程が凄い。
殺人事件の犯人が、物的証拠ゼロの状態で裁判にかけられる。そして、評決は陪審員による、審判にゆだねられる。そして、証拠ゼロで、陪審員は有罪と裁決した。現場に残された毛髪や赤い掌の痕などのずさんでな証拠鑑定、被告人の精神的不安定などが弁護側から出されても、陪審員たちは、真っ直ぐに死刑判決に向かって突き進んでいく。
無罪の死刑囚として拘留された男の恐怖、そして、突然DNA鑑定が持ち込まれ、一気に裁判は冤罪であることが判明する。中西部の小さな町は一気に全米規模を震撼させた事件の町となった。
さすが、グリシャムといいたくなるほどの精緻な取材は、上下巻通じて読み始めたらやめられなくなる。
この本を読んだあとで、裁判員への召集状が届いたら、あなたは裁判員になりますか?