【一言いいたい裁判員制度】(2)陪審制とどう違う?
「裁判は人の人生を左右する大切なもの。いい加減な判断をされたらたまらないし、そんな判断もしたくない。司法試験に合格した専門知識を持った人たちに任せておけばよいのでは」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081209/trl0812091143007-n1.htm
以前、裁判員制度のことを初めて知った知人はこう話していた。極論だが、裁判員制度では、隣に住んでいる人の裁判で、自分が有罪か無罪かを裁くことになる可能性もある。なじみのない仕組みだけに、制度導入に、不安のようなものを感じることも少なくない。
裁判員制度は、有権者のなかからくじで選ばれた人が重大犯罪についての裁判の判決を考える市民参加のシステムだが、そもそも、なぜこの制度を導入することになったのだろうか。
日本の裁判には「時間がかかりすぎる」「難しい用語ばかり使われる」といった批判があった。裁判員制度にはこうした批判に応えようという狙いがあるという。先進国の多くに国民参加の司法システムがあることも制度実施をあと押しするきっかけになった。
裁判員制度のメリットとしてあげられているのはおおむね次のようなことだ。(1)分かりやすい裁判が実現される(2)市民の関心が高まる(3)専門家とは異なる視点を入れることができる-。
これまで下された判決のなかには「市民感覚とずれている」と批判されたものもあった。一面的な見方でなく、いろんな経験を持った人の判断を加えた方がよいという考えがあるのだろう。
「市民参加の裁判」というとアメリカの法廷ミステリー映画『十二人の怒れる男』を思い出すが、今回導入される裁判員制度はアメリカで行われている陪審制度とはちょっと違うそうだ。有罪か無罪かの判断を市民だけで決める陪審制度に対し、裁判員制度は裁判官と市民が一緒になって決めるところに違いがある。
制度導入には、いろんな議論があり、陪審制度のような仕組みを取るべきだという声もあった。陪審制度には裁判官に誘導されることなく決定ができること、全会一致制のため、議論を尽くせるというメリットがあるという。一方、裁判員制度は、裁判官が一緒に入ることで専門知識のある人が判断に加わることができるという利点があるとされている。(河)