初の裁判員裁判、殺人罪被告に懲役15年判決 東京地裁
東京地裁(秋葉康弘裁判長)で3日から始まった全国第1号の裁判員裁判は、最終日の6日、殺人罪に問われた無職藤井勝吉被告(72)に対し、裁判員6人と裁判官3人が一緒に話し合って決めた懲役15年の判決が言い渡された。市民の常識や感覚を刑事司法に反映させることを目的に導入された裁判員制度。初めての判決で裁判員らが選択したのは、検察側が求刑した懲役16年を1年下回る刑だった。
http://www.asahi.com/national/update/0806/TKY200908060153.html
裁判員らは3日午前に選任され、午後から連日の審理に臨んだ。5日午後から判決を決める非公開の「評議」に入り、6日まで評議を継続。午後、法壇に再び9人全員で並び、裁判長が被告に判決を宣告した。
判決は、藤井被告が5月1日午前11時50分ごろ、東京都足立区内の自宅の斜め向かいに住んでいた整体師小島千枝=本名・文春子=さん(当時66)を口論の末にサバイバルナイフで刺殺したと認定した。審理では「殺意の強さ」をめぐって検察側と弁護側が争ったが、判決は検察側主張に沿う形で事実を認定。「ぶっ殺す」と叫んで被害女性の胸や背中を深く突き刺したことなどを挙げて「強い殺意」があったと認めた。
そのうえで「人の命を奪った結果は誠に重大」「遺族の悲しみは深く、厳しい処罰を望んでいる」と量刑にあたって考慮した点を述べた。
被告・弁護側は量刑を不服として控訴する方向で検討している。控訴審には市民が加わらず、裁判官だけで審理される。最高裁の司法研修所は「一審の結論を控訴審はできるだけ尊重すべきだ」とする研究報告書をまとめている。(向井宏樹)