裁判員候補者、参加へ揺れる気持ち 100人アンケート
裁判員制度が5月21日にスタートして6カ月がたった。「この半年間に気持ちに変化がありましたか」。朝日新聞では、今年の裁判員候補者100人にそんなアンケートを実施した。「参加に前向きになった」「参加したくなくなった」。実際の裁判の様子をみて、気持ちが揺れ動いている人たちがいた。
http://www.asahi.com/national/update/1123/TKY200911220283.html
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アンケートは全国の取材網を通じて把握した候補者に協力を依頼し、今月、記者による聞き取りか、書面に記入して返信してもらう形で実施。有効回答が100人に達したところで集計した。裁判員を経験した人は含まず、裁判員になるかもしれないという毎日を送る人の思いを探った。
裁判への参加について現時点での気持ちを尋ねると、「ぜひ参加したい」(34人)、「義務だから仕方なく参加するつもりだ」(31人)で、計65人が参加する考えを示した。一方、「できれば参加したくない」(24人)、「絶対に参加したくない」(5人)と、参加したくないという考えの人は計29人だった。「どちらともいえない」は6人だった。
次に、候補者通知を受け取った時点の気持ちが、いまと変わらなかったかどうかを同じ選択肢で確認した。「参加する」の65人のうち、以前は参加に消極的だったが、半年で気持ちが変わったと答えたのは10人。逆に、「参加したくない」の29人のうち9人は、以前の参加に前向きな気持ちが変わったと答えた。
大阪府の女性ライター(48)は、候補者になってから、何度も裁判を傍聴し、「できれば参加したくない」から「ぜひ参加したい」に気持ちが変わった。「候補者になって学んだことや、何度かの裁判の傍聴を通して、参加することの役割が少しずつ分かってきた」という。
一方、「仕方なく参加する」から「できれば参加したくない」に変わったという東京都の主婦(55)は、最近相次いだ「連続不審死」疑惑の報道をきっかけに「事件性のある遺体を見逃してきたのではないか」と捜査当局に不信感が募ったという。「裁判に出される証拠の中に、ずさんだったり、不確かなものがあったりしても素人には見抜けない。正しい判断を下す材料がそろわない裁判には参加したくない」と理由を説明した。
「職場の理解を得られない」「思ったより時間を取る」などと、仕事や家事への負担を考えて参加に否定的になった人も目立った。
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制度が始まってから、より関心を持つようになった点を複数回答で尋ねたところ、多くの人が選んだのは「刑の重さの決め方」(67人)と「有罪・無罪の考え方」(42人)だった。
宮崎県の自営業男性(63)は「今までは『こいつが犯人か』という気持ちでニュースを見ていたが、『もしかしたら犯人じゃないかもしれない』と両面から見るようになってきた」という。
「犯罪被害者の刑事裁判参加の実態」を挙げた人は25人、「刑を終えた後の元犯罪者の更生や再犯の実態」は17人だった。愛知県の自営業男性(62)は「これまでは判決後のことは知らんぷりだったが、再犯を防ぐにはどんなリハビリをしたらよいか、といった観点で考えるようになった」と答えた。