「被告の声が小さくて聞こえない」 裁判員から不満続出
「被告の声が小さくて、聞き取れませんでした」。山形地裁で3日まで開かれた裁判員裁判で、裁判員からこんな声が相次いだ。裁判員裁判は、法廷で被告や証人の声を直接見聞きして判決を考えるのが大原則。課題が残った。
http://www.asahi.com/national/update/1204/TKY200912030494.html
審理されたのは、病気を苦に無理心中しようと自宅に火を付けた男性の被告(78)が現住建造物等放火の罪に問われた事件。懲役3年執行猶予4年の判決が言い渡された。
法廷の証言台には、被告の声をとらえるマイクが備えられていた。しかし、高齢で体の弱い被告の声は途切れがちで、初公判での氏名の確認の際にも裁判長が3度聞き返したほどだった。
裁判員の負担を考えた検察側は繰り返し「(捜査段階に被告が述べた内容をまとめた)供述調書を朗読させてほしい」と提案した。ただ、弁護側は「生の言葉を聞いて判断してもらいたい」と反論。裁判長の判断で調書の朗読は最後まで実施されなかった。
判決後に記者会見した裁判員からは「裁判所にマイクの音量を上げてほしいと頼んだが、無理と言われた」「今後の裁判のことを考えて、何とかしていただきたい」と厳しい声が続いた。ある裁判員は、頭に装着して口元にマイクを近づける「ヘッドセット」の導入を提案した。(棟形祐水)